薬剤名
ベンジルペニシリンベンザチン水和物
概要
・主として、グラム陽性菌に対して強力な抗菌作用を示す
・酸に安定である
・経口投与において有効血中濃度が得られ、かつ長時間作用する
代表的な商品
バイシリンG
顆粒(味:ストロベリー)
構造
分類
ペニシリン系
作用機序
ベンジルペニシリンは、構造中にβラクタム環を有している。βラクタム環は、ムレインモノマーのD−アラニル−D−アラニンに構造が類似していることから、PBPに結合し、ペプチド鎖の架橋を阻害する。
適応症、用法・用量
<適応菌種>
ベンジルペニシリンに感性のレンサ球菌属、肺炎球菌、梅毒トレポネーマ
<適応症>
リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、梅毒、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱、リウマチ熱の発症予防咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、副鼻腔炎
<用法・用量>
通常、成人にはベンジルペニシリンベンザチン水和物として1回40万単位を1日2~4回経口投与する。
梅毒に対しては、通常、成人1回40万単位を1日3~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
1)主な副作用
発熱、発疹、蕁麻疹、好酸球増多症、肝障害、下痢、悪心、食欲不振
2)重大な副作用
1)ショック:初期症状として、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
2)溶血性貧血:重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
3)間質性腎炎、急性腎障害:重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
4)偽膜性大腸炎:血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに中止するなど適切な処置を行うこと。
作成日:2020/7/26
医薬品を使用する際には、必ず最新の情報を添付文書で確認するようにしてください。