薬剤名
トリメプチンマレイン酸塩
概要
・消化管平滑筋に直接作用して、消化管運動が低下している場合に促進させ、一方、亢進している場合には抑制するという二面的作用を有する新しいタイプの消化管運動調律剤
・消化管平滑筋への直接作用により、消化管運動を正常化し、慢性胃炎に伴う腹部 疼痛、悪心、噯気、腹部膨満感、過敏性腸症候群における消化器症状及び便通異常を改善する
代表的な商品
セレキノン錠
構造
分類
消化管運動調律剤
作用機序
・消化管平滑筋に対する作用
平滑筋細胞において、弛緩した細胞に対しては、K チャネルの抑制に基づく脱分極作用により細胞の興奮性を高め、一方、細胞の興奮性に応じてCa チャネルを抑制することで過剰な収縮を抑制することが推測される
・オピオイド受容体を介する作用
トリメブチンは、運動亢進状態にある腸管では、副交感神経終末にあるオピオイドμ 及びκ受容体に作用して、アセチルコリン遊離を抑制し、消化管運動を抑制する。
一方、 運動低下状態にある腸管では、交感神経終末にあるμ受容体に作用してノルアドレナリン遊離を抑制する。その結果、副交感神経終末からのアセチルコリン遊離が増加し、消化管運動を亢進する。
適応症
○慢性胃炎における消化器症状(腹部疼痛、悪心、噯気、 腹部膨満感)
○過敏性腸症候群
副作用
1)主な副作用
下痢、便秘、口渇、発疹、じん麻疹、かゆみなど
2)重大な副作用
・肝機能障害、黄疸
[全身けん怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる]
作成日:2020/11/19
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